はじめての栄養学

2021年7月28日

以前のブログでボクサーの減量法について書きPFCバランスも触れましたが、

まずPFCとはなんだというところから

  • P=たんぱく質
  • F=脂質
  • C=糖質

についてざっくり解説してみたいと思います。

栄養学に興味をもったけど何から調べていいかわからないという方のお力になれると嬉しいです。

糖質

運動時の主なエネルギー源になり、1g当たり4kcalになります。

グラム数のイメージが湧きづらいと思うので白米の糖質量を出すと一般的な茶碗1杯の量で約66gの糖質量です。

なので計算をすると、66×4で白米(茶碗1杯)の糖質で264kcalになります。

炭水化物とごっちゃになりがちですが、糖質と食物繊維の総称が炭水化物なので

炭水化物=(糖質+食物繊維)

です。

糖質の種類としては

  • 単糖類…ブドウ糖、果糖
  • 二糖類…ショ糖(砂糖)、乳糖
  • 多糖類…デンプン、グリコーゲン

などがあります。

摂取した糖質は単糖類に分解され小腸から吸収されていき、その場で使われなかったブドウ糖は筋肉や肝臓にグリコーゲンとして貯蔵されます。

ブドウ糖が脂肪になるまでには

筋肉→肝臓→脂肪

といった形で筋肉や肝臓で使われなかった余剰分が脂肪として蓄えられることになります。

トレーニングをすることでグリコーゲンは利用され、再補充をする為にトレーニング後は筋肉や肝臓に糖質がいきやすいので、トレーニング後の糖質摂取はしっかりと行いましょう。

ボクシングも糖質を主なエネルギー源として利用するため私も糖質は意識して摂取しており、トレーニング中もボトルの中にサプリメントを溶かし飲んでいます。

飲んでいるのはグリコパワープロダクションのCCDというサプリメントで、こちらはクラスターデキストリンという糖質が使われており、1Lの水に90g程糖質を溶かすことができます。

先ほど例に出した茶碗1杯の白米よりも多い糖質量です(笑)

計量後のリカバリーでも重宝しているので大変おすすめです。

果糖は吸収された後肝臓に向かいブドウ糖よりも早くエネルギーとして利用されます。

ただ少しはブドウ糖に変換されるものの、果糖はグリコーゲンにはならず余剰に摂取した分は脂肪になります。

果糖といって果物を連想するかもしれませんが、果物はそこまで果糖は多くありませんし他のメリットもあるので問題ではありません。

問題なのは砂糖や異性化糖と呼ばれるもの

果糖ぶどう糖液糖など聞いた事があると思いますが異性化糖とはその総称です。

その他にも果糖の割合によって

高果糖液糖やブドウ糖果糖液糖などがあります。

これらはかなり多くの果糖を含んでいるため注意が必要です。

たんぱく質

たんぱく質も1g=4kcalです。

英語にすると「Protein」(プロテイン)で皆さんも聴き馴染みあると思います。

元々の語源はギリシャ語の「Proteios」(プロティオス)からきているようで、一番大切なものという意味です。

それも納得で、人体の体成分でなんと20%近くも占めています。約60%が水分なのでそれを除くとほぼほぼたんぱく質ですね。

このようにたんぱく質の役割は体を構成する主要成分になることで、例えば筋肉、骨、皮膚、髪、臓器はもちろん体内ホルモンや酵素、免疫物質などの材料になります。

たんぱく質の最小単位はアミノ酸で、ボクサーの中でもBCAAというサプリメントは聞いたことがあるかと思いますが、あれは「バリン」「ロイシン」「イソロイシン」というアミノ酸を組み合わせたものです。

ちなみにBCAAは筋中に多く含まれるアミノ酸で、摂取することで筋分解の抑制などに効果があるとされています。

アミノ酸が連なることで、アミノ酸→ペプチド→たんぱく質というように大きな分子構造になっていくので、食事をした際には体内で分解されアミノ酸として吸収されていきます。

よくトレーニング後に飲まれているプロテイン飲料もたんぱく質の状態なので消化が必要になります。その為、運動直後ではなく数十分経って消化が行いやすくなった時に飲むことをオススメします。

ちなみに、プロテインは身体に悪いんですか?やプロテインを飲むとマッチョになってしまうんですか?など質問がありますが、ただのたんぱく質なので心配なさらず大丈夫です。

たんぱく質自体、多量に飲むと腎臓や肝臓の負担になるとのデータがありますが、一般の方でそこまで摂取できている方はいないと思いますし、むしろ足りていない方ばかりに思います。

プロテインは栄養補助食品なので、私個人の考えとしては食事で足りているのであれば不要だと思っています。

トレーニング後すぐに飲んだ方が、という点に関しても食事で必要量足りているのであれば、EAAという体内で利用されているアミノ酸が含まれているサプリメントをとるので十分だと思います。

たんぱく質は糖質や脂質と違い、エネルギー供給をすることが主な役割ではありませんが、エネルギーとして利用される事もあります。

これを糖新生といい、体内の糖質が不足している時などに活発になります。

減量中など食事制限をしている時などは、より意識をしてたんぱく質の摂取を心掛けたいところです。

脂質

最後は脂質でこちらは1g=9kcalです。

ちなみに体脂肪は1kg=7,200kcalで、なぜシンプルに9,000kcalではないのかというと水分が含まれているためです。

これを知るだけで3日で-〇kg!などタイトルで書かれているものが体脂肪で落ちているものでは無いことがわかります(笑)

減量時にたまに糖質カットをしている選手を見ますが、カットすべきはこちらの脂質だと思います。

カットすると言っても全体量の20〜30%は摂っておきましょう。

というのはこちらもエネルギー源として使われるのですがそれ以外にも体内ホルモン(俗に言う男性ホルモンや女性ホルモンなど)や細胞膜などの生成に関係する為です。

減量と体内ホルモンはとても関係しているので、脂質を抑えすぎて体重が停滞するのはよくあるケースだと思います。

ビタミンにも脂に溶けやすい脂溶性ビタミンという種類があり、脂質の摂取を抑えすぎると脂溶性ビタミンの吸収が悪くなるというのもあります。

また、脂質は「飽和脂肪酸」と「不飽和脂肪酸」に分けられ、飽和脂肪酸の量を抑えるべきと言われています。

飽和脂肪酸は、牛や豚の脂やバターなどに多く含まれ常温で個体になる物です。

不飽和脂肪酸はその中でも「一価不飽和脂肪酸」と「多価不飽和脂肪酸」に分けられ、一価不飽和脂肪酸は体内で合成できるのに対し、多価不飽和脂肪酸は体内で合成が出来ません。

多価不飽和脂肪酸は、青魚やごま油などの植物油に多く含まれていています。

まとめ

今回は三大栄養素である、糖質・脂質・たんぱく質の役割や作用などについて書いていきました。

それぞれの役割を知るだけでも選び方の意識が変わると思います。

ここで興味を持ってさらに調べてもらえると嬉しいです。