試合で最大限の力を発揮するには
ピーキング
ピーキングとは試合に向けて、様々な方法を使いコンディションをピークに持っていくことを言います。
方法としては、ボクサーの減量もその一つですし、試合一週間前になると練習量を落とすボクサーが多いと思いますが、それもテーパリングというピーキングの一種です。
テーパリングを行うことで数%は競技力が向上すると言われていますが、実力の拮抗した選手同士の試合でその数%は勝敗を十分に左右する可能性があります。
練習では強いけど試合では弱いと言われる場合、ピーキングが上手くなることで解消されるかもしれませんので是非参考にしてみて下さい。
テーパリング
試合に向け徐々に疲労を抜いていき、狙った日に最大限のパフォーマンスを発揮する為の方法です。
試合に向けても疲労をコントロールしながら練習をしているかと思いますが、それでも疲労は溜まっているものです。
それを抜くために前項でも触れましたが、ボクシングだとよく試合1週間前から疲労を抜く(テーパリングを行う)ように言われます。
しかしその方法については言われてない事が多く、さらにはその期間も選手によってそれぞれ変えられているものではありません。
方法としては、負荷を落とすために強度や頻度を調整するのではなく″量″を調整していきます。
何故量にのみ大きな変更を加えるのかというと、低強度の有酸素能力は落ちづらいですが、神経的な部分の筋力や感覚などは落ちやすいためです。
テーパリング期には普段の練習量から41%~60%に量を落とすことが推奨されています。
私自身このテーパリングの情報を知るまでは、試合の1週間前までキツイ練習をこなし、そこから一気に強度を落とすやり方をしていましたが、今では試合2週間前から60%に量を減らし、1週間前に41%と段階的に減らすようにしています。
そしてテーパリングの一般的な期間としては8〜14日が最適と言われています。
しかし怪我をしてしまい練習が出来なかったなど、予定通りに進められなかった場合には疲労は予定より溜まっていないことになるので、期間の調整が必要になります。
なので場合によっては本当に1週間が適切という場合もあるかもしれませんね。
フィットネス疲労理論
よりテーパリングへの理解を深めるためには疲労への知識を付けることが大事だと思います。
一般的にはトレーニングを行い、疲労して、回復する、このサイクルを超回復という理論で説明され、多くの人に知られていると思いますが、この理論は非常にシンプルなため、フィットネス疲労理論を知ることでより疲労への理解が深まると思います。
超回復は疲労したり、回復したり、体力のみを追ったグラフになりますが、フィットネス疲労理論の場合は″フィットネス″(プラス因子)と″疲労″(マイナス因子)の2つを追ってグラフ化されます。
そして、その合計がその時のパフォーマンスということになります。
特性としては、フィットネスは変化が小さく、疲労は変化が多いということ。
なのでパフォーマンスを試合でピークに持っていくためには、フィットネスをあまり下げないように疲労を取り除いていくことが重要になります。
そのフィットネスをあまり下げないように疲労を取り除いていくためには、前述した″量″を抑えながらトレーニングを行う方法です。
参考書籍
テーパリングとピーキングについては河森直紀さんのピーキングとテーパリングという書籍を読んでから考えるようになりました。
より詳しく知りたいという方は是非読んでみてください。
まとめ
今回ピーキングとテーパリング、そしてその為にフィットネス疲労理論というものを書いていきました。
まずはしっかりトレーニングを行ってフィットネスを向上させていき、その疲労度に合わせて適切にテーパリングを行って、フィットネスをなるべく下げずに疲労を取り除いていくということが大事になります。
せっかく積み上げたトレーニングの成果を出し切れるようにこういった所にも注力してみてはいかがでしょうか?
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